黒帯の弟子 耀祐 が語る

長い休館にご不便をおかけしております。

 

お休みの方も多いと思いますのでこの期間に黒帯に協力してもらい文章を書いてもらっています。ここから黒帯はどう考えるのか、黒帯だったらどのようにして行動していくのか、黒帯になるためのヒントが詰まっていると思いますので読んでいただけたら嬉しいです。

黒帯の弟子ノスケに続く第2弾。始まります!!

宇津木 耀祐 初段

※IBKO全日本型選手権 一般男子 優勝2回。

極真中村道場全日本型選手権 一般男子 優勝。

東北極真カップ型(田畑道場) 一般男子 優勝。

埼玉型大会(木村道場) 一般男子 優勝。

組手でもグランドチャンピオン決定戦出場経験有。

『空手の道』

ひとつの区切りとして、私のこれまでの空手の道を振り返ってみたいと思います。

まず、この場をお借りし、空手を通じて関わってきたすべての方々に、感謝致します。私ひとりでは、空手を続け、黒帯を取得するまでには到底至りませんでした。心より感謝申し上げます。

私が空手を習い始めたのは、5歳でした。親に無理矢理入会させられました。その道場では、当時の私にはとても苦しい稽古で、毎日泣きながら道場に通っていました。親に怒られるから空手を辞めたいとは言えず、かといって、空手に行かなければ師範に怒られてしまう。そんな心持ちで、様々な恐怖に怯えながら道場に通っていました。現在でも、道場に入る時に少し緊張してしまうのは、きっと幼少期のこれらの体験からだと思います。
当時は、試合に出場しても入賞することはありませんでした。
しかし、一度だけ、敢闘賞を頂きました。
この瞬間から、私の中で何かが変わったのをいまでも覚えています。
入賞をしたことがない私にとって、敢闘賞であっても賞を頂けたということに、今までにない喜びを感じました。そこからは、とにかくガムシャラに頑張ってみることにしました。
試合では褒められることも増え、そのたび、「次も頑張ろう」と前向きになれました。
この頃から、「空手って、楽しい」と思えるようになりました。

小学6年生の頃に、とある事情で道場を移ることになりました。先生方はとても優しく、この頃からどんどん空手にのめり込んでいきました。
佐藤先生と出逢ったのは、この二つ目の道場でした。
この道場に入門してからは、組手では入賞、型では優勝するまでになりました。当然練習は苦しかったですが、結果が目に見えて現れてきたので、更に自信がついていきました。

中学3年生の時、私は佐藤道場に入門しました。
高校では、空手部に入部しながら佐藤道場に通い、両立は大変でしたが、佐藤道場だからこそ、どちらかが疎かになることなく、練習に励むことができました。
型の試合では多数の優勝をすることが出来、いまなら胸を張って、自信を持って試合場に立つことが出来ます。

そして、佐藤道場で黒帯を取得することが出来ました。
これまでは、黒帯というのはただ漠然と遠くに感じていた存在でした。ですが佐藤先生に叱咤激励して頂いたおかげで、少しずつ、確実に近づいていき、ようやく黒帯を巻くことが出来るようになりました。
佐藤先生が稽古のとき、「大事なことは続けること」と話されるのを、私はよく思い出します。
もし私が空手を途中で辞めていたら、黒帯を巻くこともなければ、心身ともに弱いままであったと思います。人それぞれ歩幅も、進む道も違いますが、ゆっくりでも小さくても歩き続けることで、いつかは必ず素晴らしい景色を見ることができると、私は黒帯を巻いて、本当に実感しています。

これまでを振り返り、私が試合で賞を頂けるようになったのは、空手を始めて約10年の頃だったことに私自身驚いています。
最近結果が出ずに悔しい思いをしている人もたくさんいると思います。
型の内部試合で審判をさせて頂く際に感じることですが、小学生・中学生だった当時の私よりも、みなさんのほうが断然上手です。
特にいま学生の人は、自信を持って続けてみてください。必ず、結果は現れるようになります。負けても負けても続けることです。

自粛期間中、出来ることは限られてしまいますが、みんなが休んでいる今だからこそ、自分が強くなるチャンスだと前向きに捉えることもできます。YouTubeで空手の動画をひたすら見る、本をたくさん読んでみる、新学期習う勉強を先取りでやってみる、など何でもいいと思います。ぜひこの期間をポジティブに捉えて乗り切りましょう。


最後に、日頃より指導してくださっている佐藤先生、本当に、ありがとうございます。空手だけではなく、様々なことを日々学ばせて頂いております。

改めて、私がここまで空手を続けてこられたのは、私ひとりの力ではなく、空手を通じて関わってきたすべての方々のおかげです。これまで経験したことなにひとつ欠けては、今の私はありません。心より感謝申し上げます。

宇津木耀祐

耀祐君の試合での戦績をみれば、凄いの一言ですが・・・・

 

私が彼の一番評価し、尊敬できる行動をあげるとするなら、

 

彼が中学3年の頃から学生期間住んでいた場所は(現在は違う所に住んでいますが)東久留米市から離れた立川市でした。

 

この辺に住む方ならわかりますが、東久留米から立川市は電車で通うと乗り換えを数回行わなければならない距離ですし、車でも片道40分位かかります。

 

東久留米市から立川市を通る間にも沢山道場ありますし、そんなわざわざ大変な中通い続け部活動と両立させ見事に黒帯を取得しました。

 

これは簡単なようでなかなかできる事ではありません。

 

しかも、さらに凄いのは時間がもったいないからと工夫し自転車で道場に通う等さらに根性を鍛えあげました。

 

実績もすごいですがそれ以上に彼の地道な努力、影の努力の成果が一つ一つの力強く鋭い技に繋がっているのだと思います。

 

小学6年の時に出会って今は大学4年生。

 

時の流れを感じますが、この書いてくれた文章にある通り、今みたいにずっと勝ち続けていたわけではありません。

 

良い時も悪い時もありました・・・

 

それでも理想を追求し、あきらめる事なく継続し続ければ必ずたどり着ける事をこの文章で教えてくれていると思います。

 

今なかなか思うように稽古できない状況ですが、ここで何をするかでそれが「差」になります。

 

ぜひ、耀祐君の言うように前向きに考えできる事を積み重ねていきましょう。

 

耀祐・・・

 

いつも道場の為にありがとう。

信じてついてきてくれてありがとう。

そしてこれからも共に成長できるようにがんばろうな。